ノルウェーの北部にあるヴェガ群島は、6500もの小さな島々からなる自然の驚異です。
この島々は、1万年前から大地が上昇し続けて海から現れたもので、今も新たな島が出現しています。
その厳しい環境の中で、人々は渡り鳥のカモと不思議な共生関係を築き、世界最高級のダウンを得てきました。
2004年には、その独自の文化と生態系が評価されて、世界遺産に登録されました。
この記事では、ヴェガ群島の魅力と見どころを紹介します。
増え続ける島々と美しい海
ヴェガ群島は、北極圏のすぐ南に位置するノルウェー沿岸部にあります。
かつては巨大な氷河で覆われていたこの地域は、氷河が溶けると大地がリバウンドして上昇し始めました。
その結果、海の中から次々と島が出現し、今もその数は増え続けています。
現在では、6500もの島々が広がっており、そのうち59の島に人が住んでいます。
ヴェガ群島の海は、深い青と白い波が美しいコントラストを作り出しています。
海岸線は入り組んでおり、小さな入江や湾が多くあります。また、海に浮かぶ無数の島々は、船で巡ると楽しめます。
夏には、太陽が沈まない白夜を体験することもできます。
人が作った緑の島と羊たち
ヴェガ群島の多くの島は岩だらけで、自然に土壌が形成されることはほとんどありません。
しかし、人々は工夫して土を作りました。海藻を採って腐らせて堆肥にし、それを岩の上に敷き詰めて草を植えました。
数百年かけて、人工的に作られた土壌で緑の島に変えてきました。
しかし、この薄い土壌は畑にするには向かず、人々は放牧地として利用しました。
特に羊はヴェガ群島の代表的な家畜であり、毛や肉や乳を提供してくれます。羊たちは自由に島を歩き回り、草を食べます。
その姿はヴェガ群島の風景に欠かせません。
千年続く最高級ダウンとカモ
ヴェガ群島では、1000年以上前から渡り鳥のカモと不思議な共生関係を築いてきました。
毎年5月頃になると、北極圏からやってくるカモの一種であるホンケワタガモが産卵のために島を訪れます。
人々はカモが巣を作るために小屋を用意し、ひなが生まれるまで見守ります。
カモが巣立った後に残された羽毛は、世界最高級のダウンとして人々の貴重な収入源となります。
このダウンは「羽毛の宝石」と呼ばれるほど高品質であり、保温性や軽さや柔らかさが抜群です。
また、カモ自身も食用や装飾品として利用されます。このようにカモと人間は互いに利益を得る関係です。
まとめ
ヴェガ群島は、自然と人間が共存する素晴らしい場所です。
6500もの島々と美しい海が広がり、人々は工夫して緑の島を作りました。
また、カモと千年以上も続く共生関係を築きました。この独自の文化と生態系は世界遺産に登録されており、訪れる人々を魅了します。
