ワッデン海とは、北西ヨーロッパのオランダ、ドイツ、デンマークにまたがる干潟と湿原の地域です。
干満の影響で、潮が引くと広大な砂地が現れ、潮が満ちると水に覆われます。
この自然の営みによって、多様な動植物が生息する豊かな生態系が形成されています。
ワッデン海は2009年に世界自然遺産に登録されました。
ワッデン海では、フリース人と呼ばれる民族が伝統的に行ってきたスポーツがあります。
それが【ワドローペン】です。ワドローペンとは、干潟を歩いて島から島へ渡ることを言います。
英語ではmudflat hiking(泥歩き)と呼ばれます。
この記事では、ワッデン海の伝統的なスポーツ【ワドローペン】について紹介します。
ワドローペンの歴史
ワドローペンは、古くからフリース人の生活に密接に関わってきました。
フリース人は海と自然と共に生きることを重んじており、干潟を歩くことは必要不可欠な技能でした。
干潟を歩くことで、貝や魚を採ったり、島から島へ移動したり、敵から逃れたりすることができました。
また、干潟を歩くことはフリース人のアイデンティティや文化を表現する方法でもありました。
ワドローペンは、20世紀後半からレクリエーションやスポーツとしても広まりました。
多くの人々がワッデン海の自然を満喫するために干潟を歩くようになりました。
また、干潟を歩くことは健康や環境にも良いとされています。
現在では、ワッデン海の3カ国でワドローペンのガイドや団体が活動しており、多くの観光客や地元住民が参加しています。
ワドローペンの方法
ワドローペンは、引き潮の時に行われます。引き潮の時には、干潟が水面から現れます。
干潟は砂や泥でできており、一見平坦に見えますが、実際には溝や穴などの凹凸があります。
また、干潟は水分や塩分によって硬さや滑りやすさが異なります。そのため、干潟を歩くことは簡単ではありません。
ワドローペンをする場合は、以下のような注意点があります。
- ワドローペンは危険な場合もあるため、必ずガイドや団体に参加すること。
- ワドローペンは体力や技術が必要な場合もあるため、自分の能力に合ったコースを選ぶこと。
- ワドローペンは天候や潮汐に左右されるため、事前に情報を確認し、必要な装備や服装を準備すること。
- ワドローペンは自然環境を尊重するため、動植物や景観を傷つけないこと。
ワドローペンの楽しみ方
ワドローペンでは、以下のような楽しみ方ができます。
干潟の動植物を観察する
干潟では多種多様な動植物を観察することができます。
貝や魚だけでなく、カニやエビなどの甲殻類やウニやナマコなどの棘皮動物も見ることができます。
また、干潟は世界有数の渡り鳥の中継地でもあります。
毎年約1,000万羽もの渡り鳥が飛来し、その姿を観察することができます。
さらに、ゼニガタアザラシやイルカなどの海洋動物も見ることができます。
島から島へ渡る
干潟では島から島へ渡ることもできます。
島々はそれぞれに個性や魅力があり、一つ一つを訪れることでワッデン海の多様性を感じることができます。
例えば、オランダではテセル島やテルスヘリング島など5つの島々を巡るコースがあります。
これらの島々では美しい砂浜や草原だけでなく、城や教会などの歴史的建造物やフリース人の言語や文化も楽しむことができます。
泥だらけになる
干潟では泥だらけになることも楽しみの一つです。
泥は肌に良い成分を含んでおり、泥パック効果も期待できます。
また、泥だらけになって遊ぶことは子供だけでなく大人も楽しめることです。
泥だらけになった後は海水で洗い流すかシャワーを浴びるかします。
まとめ
ワッデン海の伝統的なスポーツ【ワドローペン】は、干潟を歩いて島から島へ渡ることです。
英語ではmudflat hiking(泥歩き)と呼ばれます。
ワドローペンでは自然や歴史や文化に触れることができるだけでなく、健康や環境にも良い効果があります。
ただし、ワドローペンは危険な場合もあるため注意が必要です。
ワッデン海では多くのガイドや団体がワドローペンを提供しており、多くの観光客や地元住民が参加しています。
ぜひ一度挑戦してみてください。